ひばログ!

2020年、コロナウィルスの自粛の波に飲まれ、エンタメ業界・イベント業界の人たちの多くが一気に失業状態になりました。マジシャンの偏った目線でインプットアウトプットを繰り返します。

天才はあきらめた!【ひばりの書評】

 皆さんこんにちは。ひばりくんです。

 今日は前回記事でもお話しした書評記事を書いていこうと思います。

 今回選んだ本はこちら。

 [山里 亮太]の天才はあきらめた (朝日文庫)

 バラエティでお馴染みの南海キャンディーズ山里亮太さんの「天才はあきらめた」です。

 この本は著者である山里さんの生い立ちから芸人としての成長、そして南海キャンディーズの今までを書いたエッセイ本で、山里さんの正直すぎる素顔や今まで舐めてきた辛酸の結晶ともいえるべき一冊です。

 僕の生業はマジシャンなのですが、同じ”芸”を人前で披露する仕事という面で芸人さんとは非常に似通った部分があると思ってます。そういった意味では本当に見習いたい部分が多くある本でした。

 

この本を手に取ったのは

 この本を手に取ったのは2020年4月ごろ、コロナウィルスによる緊急事態宣言で社会機能が本格的に停止していき、マジシャンというエンタメを生業とする僕に仕事がなくなった頃のことでした。

 こんな時こそインプットして自分の力をつけたいという気持ちと、インプットとは少し違うかもしれませんが、自分と少しでも似ている仕事の人の話を読んで触発されたいという気持ちがありました。

 インプット用にいろいろと本を買って、それとは別の自分への着火剤として買ったのがこの本です。

 

この本を一言で言い表すなら

 この本を一言で言い表すなら正に「泥臭い」の一言だと思います。これはもちろんいい意味です。著者の山里さんは本のタイトルでも書いてる通り「天才はあきらめた」んです。でもただ諦めたわけではなく、「じゃあどうやって天才に見えるだろう?」という努力の記録がこの本に詰まってます。

 「天才になるための努力」ではなく「天才に見せるための努力」というのは冷静に考えればちょっとズレてるし、少し可笑しいかもしれませんが、この努力の追及によって今の山里さんができたと言っても過言ではないでしょう。

 

 そしてこの努力の仕方が凄い。小学生が考えつくような屁理屈のようなものから、明日から競争社会に生きる人間全員が真似するべきだろうと言えるような芯を食ったものまで様々な努力の記録が書いてあり、ある意味自己啓発書として読んでもいいぐらいの情報量が詰まってます。

 

成功の裏には懺悔と後悔があった

 光があれば影があります。この本は山里さんの生い立ちから現在に至るまでが書いてあり、その中には南海キャンディーズ以前に山里さんが組んだコンビの歴史や、南海キャンディーズ結成後に生じた相方・しずちゃんとのすれ違いなど、今まで山里さんがたどってきた後悔と「あの時は本当に申し訳ないことをした」という懺悔の記録もありました。

 読んだ後のボリュームとしてこういった面が半分くらいを占めてたんじゃないかと思うくらい、それはそれは多くの記録の数々で、そのどれもがしっかりと山里さん自身の正直な気持ちで書かれていたのが印象的でした。

 

 ただ今までの悪かった部分も含めて美談にするようなこともなく、愚直にありのままに、「当時はこう思っていた。でも今ならわかる。自分が間違っていた。申し訳ないことをした」という素直な後悔の言葉が多く、僕自身も自分の行動を見直すきっかけになりました。

 

この本を誰に勧めよう"苦境をバネに今を生きろ"

 僕がこの本を手に取ったきっかけは先述の通りで、自分の仕事と似通っていると思うからでしたが、普通の会社員の方も学生さんもその他の仕事の方も、色んな人に勧められる本だと思います。

 この本では今まで山里さんが実行してきた「天才に見えるための努力」の遍歴がつづられていますが、それと同じくらい多くつづられているのは苦境をバネにする力です。

 苦境をバネに、と言えばカッコいいですが、もっと厳密に言うと負のエネルギーで無理矢理自分のエンジンを回し続ける方法と言ったところでしょうか。白バックに山里さんの似顔絵が描かれた明るい表紙とは裏腹に真っ黒い感情をどんどんエネルギーに変えていく黒魔術本のような気もします。

 

 話を戻しましょう。苦境を生きない人なんていません。この本には、「天才をあきらめた芸人」が生きた苦境と歴史と、その人がどうやって生きたか、どう考ええて走り続けたかが書いてあります。そしてこの本を読めば、いかに自分が徹底的に行動してないかがわかります。

 

おわりに

 いかがだったでしょうか。なんとなく核心に迫るネタバレを避けながら書いたのであいまいな表現も多いですが、もしこのレビューで皆さんがこの本に興味を持っていただくきっかけになりましたら幸いです。

 ある意味狂ってるぐらい追いつめた山里さんの人生をぜひ皆さんの目で目撃してほしいと思います。

 

天才はあきらめた (朝日文庫)

天才はあきらめた (朝日文庫)

  • 作者:山里亮太
  • 発売日: 2018/07/06
  • メディア: 文庫
 

 

今日の一枚

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 今日の一枚は京橋の路地裏です。ガチャガチャした路地裏は趣があるという当社調べが出ましたので、これからも路地裏の写真は多くなるかもしれません。

 この写真のポイントは、やっぱりハイライトではなく影の部分にうっすら映る、パイプとかシャッターとかお店の看板がなんか味があっていいなと思います。

 皆さんもよかったら路地裏の写真撮ってみてください。

 

今日はこの辺で。

ではではまた。